“祟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たた68.3%
たゝ15.2%
たたり11.8%
たゝり2.9%
タヽ0.7%
たヽ0.2%
あが0.2%
おとろ0.2%
スヰ0.2%
タタ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
多分女学生時代の彼女のロオマンスがたたりを成していたものであろうことは、ずっと後になってから、迂闊うかつの庸三にもやっとうなずけた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
山家やまがあたりにむものが、邸中やしきぢう座敷ざしきまでおほききのこいくつともなくたゝるのにこうじて、大峰おほみね葛城かつらぎわたつた知音ちいん山伏やまぶしたのんでると
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其間そのあいだに村人の話を聞くと、大紙房と小紙房との村境むらざかいに一間の空家あきやがあつて十数年来たれも住まぬ。それは『』がたたりす為だと云ふ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
依て此石を庚申塚に祭り上に泥土どろぬりて光をかくす、今なほこけむしてあり。好事かうずの人この石をへども村人そんじんたゝりあらん㕝をおそれてゆるさずとぞ。
たゝりはたつのありと複合した形で、後世風にはたてりと言ふところである。「タヽりて言ふ」は「立有而タヽリテ言ふ」と言ふ事になる。
たヽつてる御方おかたがあつてさるのかも知らんけれど、あれでは今に他人様ひとさまの物に手を掛けて牢屋ろうやへ行く様な、よい親の耻晒はぢさらしに成るかも知れん。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
唄の女神と思いあがめて、ひざまずき、伏拝む。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また曰く、「その鬼おとろえず、その魂疲れず。一心定まりて万物服す」と
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
たゝると言ふ語は、記紀既にスヰの字を宛てゝゐるから奈良朝に既に神の咎め・神の禍など言ふ意義が含まれて来てゐたものと見える。
「もゝつたふ」の歌、残された飛鳥の宮の執心シフシンびと、世々の藤原のイチヒメタタる天若みこも、顔清く、声心く天若みこのやはり、一人でおざりまする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)