“祖母”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばあ45.7%
おばあ20.4%
ばば10.0%
そぼ8.1%
としより2.3%
おばあさん1.8%
1.8%
アツパア1.4%
ばゝ1.4%
ばゞ1.4%
おおば0.9%
ばあさん0.9%
ばっ0.5%
おばば0.5%
おふくろ0.5%
おばん0.5%
おばア0.5%
かあ0.5%
ばゞあ0.5%
ばヾ0.5%
オホミオヤ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕飯ゆうはんのあとは、お祖父じいさん、お祖母ばあさん、少年しょうねんの三にんが、いろりのはたでえだ松葉まつばをたき、毎晩まいばんのようにたのしくおはなしをしました。
おかまの唄 (新字新仮名) / 小川未明(著)
老人としより子供こどもだから馬鹿ばかにしておもふやうにはうごいてれぬと祖母おばあさんがつてたつけ、れがすこ大人おとなると質屋しちやさして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
祖母ばば谷、餓鬼谷、後立山谷、栂谷及針木谷という順になって、後立山谷は東谷に、栂谷は棒小屋沢にそれぞれ相当するらしく思える。
ちゝゆめだ、とつてわらつた、……祖母そぼもともにきてで、火鉢ひばちうへには、ふたゝかんばしいかをり滿つる、餅網もちあみがかゝつたのである。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
祖母としよりそばでも、小さな弟と一所でも、胸に思うのもはばかられる。……寝て一人の時さえ、夜着の袖をかぶらなければ、心に描くのが後暗うしろめたい。……
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姉は祖母おばあさんをかかえて、裏長屋に、間借りをして、そこで、何か内職をして露命をつないでいる。私が小僧になったのは、赤坂台町の葉茶屋だった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
純一は国のお祖母あ様の腰が曲って耳の遠いのを思い出して、こんな巌乗がんじょうな年寄もあるものかと思いながら、一しょに這入って見た。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
男の祖先と女の祖先(此を祖父オシユマイ祖母アツパアといふ)とが眷属を連れて招かれた家々に行つて、楽器を奏し芸尽しなどをするが、大人前オシユマイが時々立つて、色々な教訓を家人に与へ
頬の紅い、左の眼の上に黒子ほくろのあつた母のことを言へば、白い髮を切下げて居た祖母ばゝのことも御話しなければ成りません。
町内てうない一の財産家ものもちといふに、家内かない祖母ばゞ此子これこ二人ふたりよろづかぎ下腹したはらえて留守るす見渡みわたしの總長屋そうながや流石さすが錠前でうまへくだくもあらざりき、正太しようたさきへあがりて風入かぜいりのよき塲處ところたてゝ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
立淀たちよどんだ織次の耳には、それが二股から遠く伝わる、もののこだまのように聞えた。織次の祖母おおばは、見世物のその侏儒いっすんぼしおんなを教えて
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祖母ばあさんは祖母で、目を煩ってほとんど見えない。二人の孫を手探りにして赤い涙を流すんじゃないか。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乙女は肩に力を入れて俯向うつむいたまま思わずも笑いかけ、祖母ばっちゃん、でかした! 本当に乙女はそう思った。
小祝の一家 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「そうか、それはよくしてくれた。お前が祖父おじじ祖母おばばの側にいてくれるなら、おれも安心して冥土へ帰ることができる」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どっちかになっておけばよかったのを、祖母おふくろが、商人あきんどがいいといって丁銀ちょうぎんという大問屋へ小僧にやられた。
祖母おばんに、うてから」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
今時分は家に着いて祖母おばアさんと何か話してござるだろうなど思いますと堪らなくなって叔母にこれからすぐ帰えると云いだしました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「他人に背いても、お祖母かあさんには背かれないわ。それに一緒にいることなんて、あたりまえのことじゃないの、何も隠さなくってもいいじゃないの。」
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
舐犢しとくの愛を受けて長ずるものを貶して、祖母ばゞあ育ちは三百やすいといへる諺に引かへ、憎まれ子の世に立ちて名を成し群を抜くことを云へる、東西共に同じきもおもしろし。
東西伊呂波短歌評釈 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
まつりれて友達ともだちのうちへとまつた一分始終いちぶしヾう祖母ばヾはなしてきかせました。すると、祖母ばヾをみはつて、そのかたはちヽ最初まへの「つれあひ」だつたとおどろかれました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
第一代の日の御子降臨の時に、祖母オホミオヤ神の寄与せられた物は、鏡と稲穂(紀)とで、古事記では其外に二神器及び、智恵の魂・力の魂・門神の魂をば添へられてゐる。