“破鍋”の読み方と例文

読み方	割合
われなべ	100.0%

われなべ

ただ吹雪に怪飛（けしと）んで、亡者のごとく、ふらふらと内へ戻ると、媼巫女（うばみこ）は、台所の筵敷（むしろじき）に居敷（いしか）り、出刃庖丁をドギドギと研いでいて、納戸の炉に火が燃えて、破鍋（われなべ）のかかったのが

神鷺之巻 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

及ばぬ恋の無駄な業（がふ）を㷔（もや）すよりは、妄想をデツチ上げた恋愛小説でも作つて、破鍋（われなべ）にトヂ蓋の下宿屋の炊婦（おさん）でも覘（ねら）つたら可（よ）からう。はツはツ、顔を赤くするナ。怒る勿（な）。怒る勿。

犬物語 (新字旧仮名) ／ 内田魯庵(著)

それに就（つい）て父（ちゃん）に相談打（ぶ）とうと思っていたが、私（わし）だって今年二十五に成るで、何日（いつ）まで早四郎（はやしろう）独身（ひとり）で居ては宜くねえ何様（どんな）者でも破鍋（われなべ）に綴葢（とじぶた）というから、早く女房を持てと友達が云ってくれるだ

菊模様皿山奇談 (新字新仮名) ／ 三遊亭円朝(著)

破	常用漢字 小５ 部首:⽯ 10画
鍋	常用漢字 中学 部首:⾦ 17画