“真葛”のいろいろな読み方と例文
旧字:眞葛
読み方割合
まくず90.0%
まくづ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は、山の方に上がってゆく静かな細い通りを歩いて、約束の、真葛まくずはらのある茶亭の入口のところに来てしばらく待っていた。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
真葛まくずはら女郎花おみなえしが咲いた。すらすらとすすきを抜けて、くいある高き身に、秋風をひんよくけて通す心細さを、秋は時雨しぐれて冬になる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
京都の真葛まくづはら西行庵に小文こぶんさんといふ風流人がゐる。セルロイド製のやうな、つるつるした頭をした男で、そしてまたセルロイド製のやうに年中から/\笑つて暮してゐる。