“眞實”のいろいろな読み方と例文
新字:真実
読み方割合
ほんたう24.4%
まこと17.1%
しんじつ15.9%
ほんと14.6%
ほんとう9.8%
まつたく3.7%
しん3.7%
ほん3.7%
ほんに2.4%
ほん/″\1.2%
まじめ1.2%
まめ1.2%
まめやか1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
錢形の親分は江戸開府以來と言はれる捕物の名人だから、きつと眞實ほんたうの下手人を搜して下さるに違ひない——と斯う言つてくれました
眞實まことと思ひ終に吾助の言葉の如く二兩の金をもち宿やどへ下りたり然るに惡事千里のことわざの如く早晩いつしか吾助がお兼と言合せ飯炊めしたきの宅兵衞より金五兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かへし給ふべし拙者も是より江戸見物致さんと思ふなれば江戸迄は御同道ごどうだう申べし先々まづ/\心置こゝろおきなく寛々ゆる/\養生やうじやうなすが專一なりとて眞實しんじつに申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼は迂濶にも「日本橋」の出版の豫告を知らなかつたので、菊判帙入の美本を手に取上げる迄は、それが眞實ほんとに泉先生の新作であるかどうかを疑つた。
貝殻追放:011 購書美談 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
『ハア、今日はお義理でね。眞實ほんとうに方々引張られるんで、遣切やりきれやしない。今日あたりうち寐轉ねころんでる方が、いくらいか知れやしない。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
郵便局長いうびんきよくちやうのミハイル、アウエリヤヌヰチは、かれところて、かれはなしいてはゐるが、さきのやうにれは眞實まつたくですとはもうはぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これは何うもならぬ其やうに茶利ちやりばかり言はで少し眞實しんの處を聞かしてくれ、いかに朝夕を嘘の中に送るからとてちつとは誠も交る筈、良人はあつたか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それとも親故かと眞に成つて聞かれるにお力かなしく成りて私だとて人間でござんすほどに少しは心にしみる事もありまする、親は早くになくなつて今は眞實ほんの手と足ばかり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
眞實ほんにやり切れぬ孃さまではあるとて見かへるに、美登利はいつか小座敷に蒲團抱卷持出でゝ、帶と上着を脱ぎ捨てしばかり、うつ伏し臥して物をも言はず。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
乳母 はや居間ゐまへゆかしゃれ。おまへよろこばす眞實ほん/″\のロミオをさがしてう。その居處ゐどこってをる。これの、こちのロミオどのは、今宵こよひこゝへやしゃるはずぢゃ。わしがんでう。
第一だいいちそのものとはどんなものか、と突懸つゝかゝつてきますと、盲人めくらニヤリともせず、眞實まじめかほをしまして、れば、ればづ、守宮やもりかんむりかぶつたやうな、白犬しろいぬ胴伸どうのびして
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今日けふおもこゝろもらさんか明日あすむねうちうちけんかと、眞實まめなるひとほどこひるし、かるおもひの幾筋いくすぢはされしなるものから、糸子いとここゝろはるやなぎ、そむかずびかずなよ/\として
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らねばこそあれ眞實まめやかなることばにうらはづかしく、おもてすこしあかめて、いやとよ病氣びやうきなほりたり、心配しんぱいかけしがどくぞとらずわび言葉ことばに、なにごとのおほせぞ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)