“看過”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みすご40.0%
かんか30.0%
かんくわ10.0%
みす7.5%
みのが5.0%
くわんくわ2.5%
みすぐ2.5%
みの2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云うのは、危く看過みすごそうとするところだったが、奥まった空瓶の横腹に、算哲博士の筆蹟で次の一文がしたためられている事だった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これはなかなか大切な事で、婦女子は未来の国民を造るのでありますから、その国の婦女子の事を軽々けいけい看過かんかすることは出来ない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
日光の美の中で、他にまだ看過かんくわし難いものがある。それは街道の杉並木である。平泉澄氏の撰の東照宮志にこの並木の事は詳しく出てゐる。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
取りでてはながめ入り参らせ候 万国地理など学校にては何げなく看過みすごしにいたし候ものの近ごろは忘れし地図など今さらにとりいでて今日はおふねのこのあたりを
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
と飽くことを知らない彼の探求心は、普通ならば誰しも看過みのがすかと思われるような、傍線アンダーラインの上に神経をとどめた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
男子の裸体らたいなりしとの事は輕々しく看過くわんくわすべからず。アイヌははだを露す事を耻づる人民なり。住居のうちたると外たるとを問はず裸体らたいにて人の前に出づる事無し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
久さんのおかみは、び心に婆さん宅のへっついの下などきながら、喧嘩の折節おりふし近くに居合わせながら看過みすぐした隣村の甲乙を思うさま罵って居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そうなると、あるいは僕の思い過ぎかもしれませんが、その中で輝いている凄惨な光をどうして看過みのがす訳にゆきましょうか、ああ、心臓は右に。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)