“省察”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せいさつ71.4%
しょうさつ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は自分たちのこの態度に対して何の注意も省察せいさつも払わなかった。二人は二人に特有な因果関係をっている事を冥々めいめいうちに自覚していた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
科学的常識は猶更なおさらである。しかし適当な科学的常識は、事に臨んで吾々に「科学的な省察せいさつの機会と余裕」を与える。
流言蜚語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
こういう機会は今までは得易くなかった。分析と省察しょうさつとが学問のために用立つ時は、もうたいていは古いものの改まる際であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
死といっても、死について哲学的省察しょうさつをしているわけでない。自殺を考えているのでもない。ただぼんやりと死を考えているだけだ。酒を飲み、卓にひじをついて、歌を口遊くちずさんでいる。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)