“白地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しろじ30.3%
しろぢ27.3%
あからさま18.2%
しらぢ6.1%
はくち6.1%
あから3.0%
あらは3.0%
ありのまま3.0%
しらじ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文士という肩書の無い白地しろじ尋常ただの人間に戻り、ああ、すまなかった、という一念になり、我を忘れ、世間を忘れて、私は……私は遂に泣いた……
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
晶子は三越で買つて来た白地しろぢかうの図と菊とを染めた友禅と、京都の茅野蕭蕭ちのせうせう君に託して買つて貰つた舞扇まひあふぎの一対とを夫人に捧げた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
千九百餘年前の猶太人が耶蘇基督の名を白地あからさまに言ふを避けて唯「ナザレびと」と言つた樣に、恰度それと同じ樣に、彼の三人の紳士をして
所謂今度の事:林中の鳥 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何處どこいともまをしがたけれど華魁衆おいらんしゆとて此處こゝにてのうやまひ、たちはなれてはるによしなし、かゝるなかにて朝夕あさゆふごせば、きぬ白地しらぢべにこと無理むりならず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
長曾我部の老臣、谷忠兵衛は、その守城一ノ宮城から、ひそかに脱け出して、主君の元親の白地はくちの居城へ来て、元親に会った。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
云るゝものかと我が身親子がうゑもせず今日迄くらしけるは皆此方のかげなり今更老たる叔母此梅諸共もろとも置去おきざりにせんとならば勿々なか/\とめはせじ夫ならば其樣そのやう白地あからさまに申給はれと云けるにぞ傳吉大いに迷惑めいわくし是は/\叔母や女房を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
立てやゝ久敷ひさしく考へ居たりしが靱負に向ひ此は甚だうらなひ難し早く歸り給へと云ふに靱負ゆきへ如何にも心得ぬ面色おももちにて某しの卦は何故にうらながたきや察する所へうからざれば白地あらはに示し難きならんか然ども故意わざ/\まゐりしこと故何事なりとも忌憚いみはゞかりなくうらなひ下されよと云ひければ白水翁かしら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聴水はかくと見るより、まづ慇懃いんぎんに安否を尋ね。さて今日斯様かようのことありしとて、黒衣が黄金丸を射殺せし由を、白地ありのままに物語れば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
都府楼観音寺唐絵とふろうかんのんじからえと云はんに四ツ目の鐘のはだかなる、報恩寺ほうおんじいらか白地しらじなるぞ屏風びょうぶ立てしやうなり。木立こだち薄く梅紅葉うめもみじせず、三月の末藤にすがりて回廊にむしろを設くるばかり野には心もとまらず……云々うんぬん