“癒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なお42.9%
28.0%
いや16.7%
なほ8.7%
いえ1.2%
1.0%
いゆ0.7%
なを0.3%
0.1%
0.1%
なおり0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まったくけろりとなおったんです。一体どうしたんでしょう。病気が癒ったのか、それとも僕は最初から結核ではなかったかも分らん。
誤診 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
僕はかかる手紙を読みつつ、日々腹ぐすり「げんのしやうこ」を飲み、静かに生を養はんと欲す。不眠症のえざるも当然なるべし。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私は、愛やゆるしやいやしや労働やのキリスト教的徳を尊ぶ心は深くなるばかりです。けれどそれだけではキリスト信者ではありません。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
すべ富豪かねもちといふものは、自分のうちに転がつてゐるちり一つでも他家よそには無いものだと思ふと、それで大抵の病気はなほるものなのだ。
青磁の皿 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
此近在の農人のうにんおのれが田地のうちに病鶴やめるつるありてにいたらんとするを見つけ、たくはへたる人参にんじんにて鶴の病をやしなひしに、日あらずやまひいえて飛去りけり。
この間うち少しくなっていたようでした病人にまたにわかに悪い様子が見えてきて苦しんでいるのを見ながら出られないのです。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
わがこの薬は、かしこくも月宮殿げっきゅうでん嫦娥じょうがみずから伝授したまひし霊法なれば、縦令たとい怎麼いかなる難症なりとも、とみにいゆることしんの如し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
けれどもまちかならずしもなをらないとはおもはなかつた。そしてどうかしてはやくなほしたいといつもかんがへてた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
傷は大抵つ着いて了つた。さあ、明日あすあたりはこちらの目が開けられますかな。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
然しながら、以上三人のフランスの粗探しが、二世紀に渉って、皮肉混じりの警告を発したって、愛書家の病がそれでおる筈もない。そう云われれば意地になって蒐めたがる奴も飛び出して来る。
愛書癖 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
大奥様の御病気はそう御重態というほどでもございませんが、一向はかばかしくはおなおりになりません。お医者様からは厳重に絶対安静を申渡されました。
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
いにしえより忠は宦成におこたり病いは小に加わり、わざわいは懈惰けだに生じ孝は妻子に衰うという、また礼記らいきにも、れてしかしてこれを愛すといえり
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)