“畔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほとり45.6%
くろ20.5%
あぜ17.8%
ほと5.0%
たもと4.7%
はた3.0%
0.7%
はん0.7%
みぎわ0.7%
そば0.3%
ばた0.3%
へり0.3%
べり0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
往時むかしは匪徒を伊豆の諸島に流すに、この橋のほとりと永代橋の畔より船を出すを例とし、かつこゝよりするものは帰期あるものと予定し
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
曼珠沙華まんじゆしやげは田のくろの石地蔵が好きだ。むらがり寄つてお祭りする。この花は又墓場も好きだ。淋しさに燃えていられる処だからだ。
雑草雑語 (新字旧仮名) / 河井寛次郎(著)
九月二日——ゆうべ星を見ていると、その星がおれの家の東にあたるあぜの境の上に出ている時、左から右へとつづいて消えていった。
旭川のほとりへ鷹狩りに出た光政が、珍しいくらい大猟で、雁を馬につけるほど獲って帰城した、奥へ入ろうとしたときである、ふとうしろの方で
備前名弓伝 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
漸くのことで子供を言ひすかしまして、それから橋のたもとの方へ連れて行きました。そこに煙草と菓子とを賣る小さな店があります。
それはいつも行き馴れたいけはたの待合で、ふいと或る日の夕方、私は人の妻かと見えて丸髷につてゐる若い女に出會つた事である。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「我が心清明あかければ我が生める子手弱女たわやめを得つ。これに因りて言はば、おのづから我勝ちぬ」といひて、勝さびに天照らす大御神の營田みつくた離ち、その溝
直ぐに其の音を打消す他の響が伝はる。これは不来方城はんの鐘楼から、幾百年来同じ鯨音おと陸奥みちのくそらに響かせて居る巨鐘の声である。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それは夕立の晴れた後の、すがすがしい午後のことであったが、三歳になった吉丸は母の笹千代に連れられて、池のみぎわを歩いていた。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところへ、お前がそのそばで、荒い息遣いをしたり、飛び込んだりなどするものだから、いつも泉の面が波紋で乱れていて、きまって抱き寄せようとすると、あの娘の姿は消え失せてしまうのでした。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ある夜も葉子は、山路と一緒に大川ばたのある意気造りの家の二階の静かな小間で、夜更よふけのの音をきながら、芸術や恋愛の話にふけっていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しばらく湖水こすいへりつたってるいてうちに、やまがだんだんひくくなり、やがて湖水こすいきるとともやまきて、広々ひろびろとした、すこしうねりのある、あかるい野原のはらにさしかかりました。
その頃江戸川べりに住んでいた私は偶然川畔かわべり散策ぶらついていると、流れをりて来る川舟に犢鼻褌ふんどし一つで元気にさおをさしてるのが眉山で、吉原よしわら通いの山谷堀さんやぼりでもくだ了簡りょうけん