“由縁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆかり73.7%
ゆえん8.1%
よし5.1%
いはれ4.0%
いわれ3.0%
よすが2.0%
ゆゑ1.0%
いうえん1.0%
えにし1.0%
ゆうえん1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一度左近が兵衛らしい梵論子ぼろんじの姿に目をつけて、いろいろ探りを入れて見たが、結局何の由縁ゆかりもない他人だと云う事が明かになった。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
主家小寺家と荒木家とは、いろいろな縁故えんこから旧交浅からぬ間であった。従って、官兵衛も彼の性行と今日ある由縁ゆえんはよく知っていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
親兄のつかへをもなさで、君が家の二九九ほだしならんは三〇〇由縁よしなし。御めぐみいとかたじけなけれど、又も参りなんとて、紀の国に帰りける。
所のつたへに大なるを時平しへいの塚とし、小なるを時平の夫人ふじんの塚といふ。時平大臣夫婦の塚此地にあるべき由縁いはれなきことは論におよばざる俗説ぞくせつなり。
行過ぎる嘉十郎のうしろ姿を見送りながら、菊弥は、鸚鵡蔵の由縁いわれを、一番最初に自分へ話してくれた、お綱という女のことを思い出した。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、此の部屋を離れて、いな母を離れて、彼女は一人何処へ行くところがあらう。たゞ一人、縋り付く由縁よすがとした母を離れて何処いづこへ行くところがあらう。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
たのみつる君は、此の国にては一一六由縁ゆゑある御方なりしが、人のさかしらにあひてしる所をも失ひ、今は此の野のくまわびしくて住ませ給ふ。
(仙台政宗の歌に、山あひの霧はさながら海に似て波かときけば松風の声。)一里三十丁細久手ほそくて駅。此近村に一のみの清水といふあり。由縁いうえんつまびらかならず。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
深山と名を呼ぶ其乙女と、本条純八とは一月経たぬ中に、切っても切れない由縁えにしの糸を、結び合わした身の上となった。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
妖異の所業しわざと解釈してかる伝説の由縁ゆうえんを作るべき事は疑を容れず、すなわちかかる伝説、口碑の殆ど全部が、屍体に側近する者のすくなき貧家の不幸事、もしくは屍体一個
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)