“猶予”のいろいろな読み方と例文
旧字:猶豫
読み方割合
ゆうよ69.1%
ためら24.1%
ため4.9%
いうよ0.6%
ためらい0.6%
たゆたふ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尤も回答留保ったって、先方がいうんじゃあないんで、こっちが胸をさすって、それまで猶予ゆうよしてやろうという意味あいなんですが。
遺産 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
早くと思うに、木戸番の男、鼻低う唇厚きが、わが顔を見てニタニタと笑いいたれば、何をか思うと、その心はかり兼ねて猶予ためらいぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と片手に燐寸マッチを持ったと思うと、片手がと伸びて猶予ためらわず夫人の膝から、古手紙を、ト引取って
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上下共じやうげとも何か事がありさうに思つてゐた時、一大事と云つたので、それが門番の耳にも相応に強く響いた。門番は猶予いうよなく潜門くゞりもんをあけて二人の少年を入れた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
老媼もお通に言出しかねて一日いちじつのがれに猶予ためらいしが、厳しく乞食僧に催促されて、わで果つべきことならねば、止むことを得で取次たるなり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さけこゝにいたりて激浪げきらうにのぼりかねて猶予たゆたふゆゑ、漁師れふしどもかり柴橋しばはしかけわたし、きしにちかきいはの上の雪をほりすてこゝに居てかの掻網かきあみをなす。