“片靨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたえくぼ78.6%
かたゑくぼ21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此方こなたへ振向いたお雪の顔を見あげると、いつものように片靨かたえくぼを寄せているので、わたくしは何とも知れず安心したような心持になって
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
嫂は自分と顔を合せた時、いつもの通り片靨かたえくぼを見せて笑った。自分と嫂の眼をひとから見たら、どこかに得意の光を帯びていたのではあるまいか。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
捨吉は端折をおろすと、男のくせに片靨かたゑくぼを見せて、まだ閉め切つた儘の奧へ入つて行きました。
くちにはへどむづかしかるべしとは十指じつしのさすところあはれや一日ひとひばかりのほどせもせたり片靨かたゑくぼあいらしかりしほうにくいたくちてしろきおもてはいとゞとほほどりかかる幾筋いくすぢ黒髪くろかみみどりもとみどりながらあぶらけもなきいた/\しさよわれならぬひとるとてもたれかは
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)