“爽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さわ41.9%
さわや28.6%
さわやか12.3%
さはや6.0%
さは5.7%
さや2.1%
さはやか1.5%
たが0.6%
サワ0.3%
0.3%
さっ0.3%
そむ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さわやかな朝風に吹かれるといかにもすがすがしくて、今日こそ、何もかもしてしまおうと、日頃のおこたりを責められながら、私は
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
さわやかな五月さつきの流が、あおい野を走るように、瑠璃子は雄弁だった。黙って聴いていた勝平の顔は、いかり嫉妬しっとのために、黒ずんで見えた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かぜつめたさわやかに、町一面まちいちめんきしいた眞蒼まつさを銀杏いてふが、そよ/\とのへりをやさしくそよがせつゝ、ぷんと、あきかをりてる。……
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは二十七八の若旦那型の華奢な男で、色の白さも、眼の凉しさも、唇の紅さも、——そして言葉のさはやかさも、申分のない男でした。
プーンと味噌汁の匂ひがして、お勝手では女房のお靜が、香の物をきる音までが、さはやかに親しみ深く響いてゐるのでした。
さうして御米およね顏色かほいろは、宗助そうすけかゞみなかみとめたときよりも、さやかにはならなかつた。をつと役所やくしよからかへつてると、六でふてゐることが一二あつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
空はさはやか晴渡はれわたツて、星が、何かの眼のやうに、ちろり、ちろりまたたきをしてをる。もう村の若衆等わかいしゆたちが、夜遊よあそび歸途かへり放歌うたすらきこえない。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
けだし十余年なり、時刻たがわずと、余ひそかに記す。張公文潜の『明道雑志』にいわく、鶏く晨を司る事経伝にあらわれて以て至論と為す、しかれどもいまだ必ずしも然らざるなり。
日は仲春、空は雨あがりの、サワやかな朝である。高原カウゲンの寺は、人の住む所から、オノヅカら遠く建つて居た。唯凡タダオヨソ、百人の僧俗が、寺中ジチユウに起き伏して居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「こよいは、そちや菊王も交じえて、心ゆくまで、別杯をもうよ。小右京に琴をひかせ、わしは琵琶を弾じよう。その支度、清々すがすがとしておけや。夜明けなば、あずま立ち、やかにここを立ち出でたい」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
峯の御坊寺はごぞんじでしょうが、雨風に荒れてはいますが、一度お詣りをしたあとはさっぱりとしたよい心持でございます。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かくてこそ始めて色にほこらず、その徳にそむかずとも謂ふべきなれ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)