“父爺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おやじ33.3%
ちゃん13.3%
おやぢ13.3%
ぢぢい13.3%
ちやん6.7%
じじい6.7%
とっ6.7%
とっさん6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論、淫魔いんまを駆って風紀を振粛し、且つ国民の遊惰ゆうだを喝破する事業じゃから、父爺おやじも黙諾の形じゃで、手下は自在に動くよ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
い気なことを言ってらあ、おめえ母親おふくろは死んでやしねえじゃないか、父爺ちゃんの敵なら中気だろう、それとも母親おふくろなら、愛こう、お前がその当の敵だい。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うまやには未だ二日分許りまぐさがあつたので、隣家の松太郎の姉に誘はれたけれども、父爺おやぢが行かなくてもいと言つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
甲田は先刻さつきからのムシヤクシヤで、今何とか言つて此木田父爺ぢぢい取絞とつちめてやらなければ、もうその機会がなくなるやうな気がして、口を開きかけたが、さて、何と言つて可いか解らなくつて
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
威張ゐばらなくツたつて、なにも、威張ゐばらなくツたつてかまはないから、父爺ちやんさかなつてくれるといけれど、」となんおもつたか與吉よきちはうつむいてしをれたのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、一旦内へ引返ひっかえして、応急の薬剤と繃帯ほうたいとを用意して、足早に表へ出ようとする時、七兵衛父爺じじい寝惚眼ねぼけまなここすりながら裏口を遅々のそのそ出て来た。出逢頭であいがしら喫驚びっくりして
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
父爺とっさんや、」でかしらは無造作にことばを懸ける。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや、親仁おやじ、何よ、お前のとっさんか、父爺とっさんには黙ってよ、父爺にくと、危いとか悪戯いたずらをするなとか、何とか言って叱られら。そら、な、いか、黙って黙って。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)