“煌々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうこう82.0%
きらきら6.0%
くわう/\3.0%
くわうくわう3.0%
あかあか1.5%
きら/\1.5%
こう/\0.8%
かう/\0.8%
ぴかぴか0.8%
クワウクワウ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
深夜両親の寝室で時々煌々こうこうと電燈がともったり、螢光燈ランプが輝いたりするのも、彼女は気がついて不思議に感じているに違いない。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
横に落した紫の傘には、あの紫苑しおんに来る、黄金色こがねいろの昆虫のつばさの如き、煌々きらきらした日の光が射込いこんで、草に輝くばかりに見える。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
船室キヤビン中央ちゆうわうつるしてある球燈きゆうとうひかり煌々くわう/\かゞやいてるが、どうも其邊そのへんなに魔性ませうでもるやうで、空氣くうきあたまおさへるやうにおもく、じつ寢苦ねぐるしかつた。
最後にその波と足との上に、煌々くわうくわうたる光があつて、それが風の中の太陽のやうに、まばゆく空中で動いてゐた。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
客殿に煌々あかあかと燭がともっていた。岐阜城の使者を上座に、母堂や奥方の寧子ねねなどもいて、客をもてなしているのだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月は段々高くなつて、水の如き光は既に夜の空に名残なごりなく充ち渡つて、地上に置き余つた露は煌々きら/\とさも美しくきらめいて居る。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
己の頭には、まだブランデエのよいが残って居て、煌々こう/\たる舞台の光明を浴びると同時に、それが再び、強く激しく体内に燃えくるめくようであった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
十方じつほうかけて煌々かう/\
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
今年ことしみたいに、紅白こうはくはながたんといたとしい。一面いちめんめるやうないろだ。どこへつても垣根かきねうへしゆ御血潮おんちしほ煌々ぴかぴかしてゐる。
宵闇ヨヒヤミの深くならぬ先に、イホリのまはりは、すつかり手入れがせられて居た。灯台も大きなのを、寺から借りて来て、煌々クワウクワウと、油火アブラビが燃えて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)