“無人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶにん49.0%
むにん24.5%
むじん14.3%
ぶじん10.2%
なきと2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
拝借して、に火を残したまま無人ぶにんに致しては、寺則を破ることになる。万吉、必ずわしが留守の間に、ここをあけては相ならぬぞ
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして黄色い声や青い声が、梁をまと唐草からくさのように、もつれ合って、天井からってくる。高柳君は無人むにんきょうに一人坊っちでたたずんでいる。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれど、どうしたのか、オウ! といってものを引っかつぐ部下ぶかもなく、かんじんな櫓番やぐらばんのいるところさえ、無人むじんのようにシーンとしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手提てさげはすぐ分った。が、この荒寺、思いのほか、陰寂な無人ぶじん僻地へきちで——頼もう——を我が耳で聞返したほどであったから。……
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乃木大将は新しいばけものが現われるたびにカラカラとうち笑つて「それしきのことに驚く無人なきと(大将の幼名)ではないぞ」
私の活動写真傍観史 (新字新仮名) / 伊丹万作(著)