“灯影”のいろいろな読み方と例文
旧字:燈影
読み方割合
ほかげ86.2%
ひかげ11.6%
あかり0.7%
とうえい0.7%
ともしび0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金網を張った白壁の切窓きりまどに、かすかな灯影ほかげがゆらめいていたので、何心なくのぞいてみると、さっきの二人が、ここへ入り込んでいた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牛込見附みつけとき、遠くの小石川のもりに数点の灯影ひかげみとめた。代助は夕飯ゆふめしふ考もなく、三千代のゐる方角へいてあるいてつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
灯影あかりへこんだ傷口の底まで届き、淡紅色ときいろの頸動脈はありありと眼に見えるほど、露出していた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
永代橋に近くなると、宏大な三菱倉庫が鉄板の戸口につけた薄暗い灯影とうえいで、却つてあたりを物淋しくしてゐる。
町中の月 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ただ、内へ帰るのを待兼ねて、大通りの露店の灯影ともしびに、歩行あるきながら、ちらちらと見た、絵と、かながきの処は、——ここで小母さんの話した、——後のでない、前の巳巳巳の話であった。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)