“漾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ただよ72.9%
たゞよ16.7%
たた3.1%
ただ2.1%
ただよい1.0%
たゞよは1.0%
1.0%
ゆら1.0%
よう1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一斉に絶えずかすかゆらいで、国が洪水に滅ぶる時、呼吸いきのあるはことごとく死して、かかる者のみただよう風情、ただソヨとの風もないのである。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にごれるみづいろへて極彩色ごくさいしき金屏風きんびやうぶわたるがごとく、秋草模樣あきくさもやうつゆそでは、たか紫苑しをんこずゑりて、おどろてふとともにたゞよへり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
井戸のなかの水は、朝のとほりに、静かに円くたたへられて居る。それに彼の顔がうつる。柿の病葉わくらばが一枚、ひらひらと舞ひ落ちて、ぼつりとそこに浮ぶ。
碧色の瞳は何処と信ってっかり見詰めないような平静な光りをただよわせて居る。が、時折り突き入るようにとがってきらめくこともある。
決闘場 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ジェインは微笑ほほえんだ。智に澄んだ瞳のやや冷やかな光がそのただよいに消える。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
女はない調子で低くかう云ふと、蒼褪あをざめた顔に、かすかな小皺をたゞよはせて冷やかに笑つた。そして「まあ御馳走の遅いこと。どうしたんだらう。」
あはれ あるなしのかぜにしも らぐや
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
それに のりうつつて ゆらいでゐる
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
風波に掀翻きんぽんせらるる汽船の、やがて千尋ちひろの底に汨没こつぼつせんずる危急に際して、蒸気機関はなおよう々たる穏波をると異ならざる精神をもって、その職をくすがごとく、従容しょうようとして手綱を操り
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)