“漆黒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しっこく83.6%
しつこく8.2%
まつくろ3.3%
うるし1.6%
くろ1.6%
くろう1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕餉ゆうげ膳部ぜんぶもしりぞけて、庭のおもて漆黒しっこくの闇が満ちわたるまで、お蓮様はしょんぼり、縁の柱によりかかって考えこんでいたが——。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
突ツ立てるまゝ鋭き眼に見廻はし居たり、漆黒しつこくなる五分刈の頭髪燈火に映じて針かとも見ゆ、彼は一座怪訝くわいがおもてをギロリとばかりにらみ返へせり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
昌作の方は、背の高い割に肉がげて、漆黒まつくろな髪をわざとモヂヤ/\長くしてるのと、度のひくい鉄縁の眼鏡を掛けてるのとで二十四五にも見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
よく物を言ふ眼が間断ひまなく働いて、ほどけばに余る程の髪は漆黒くろい。天賦うまれつきか職業柄か、時には二十八といふ齢に似合はぬ若々しい挙動そぶりも見せる。一つにはだ子を有たぬ為でもあらう。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
十三年 漆黒くろうい髪を真白にし
私の母 (新字新仮名) / 今野大力(著)