“滓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かす71.9%
おり22.5%
をり3.4%
から1.1%
くろな1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾輩が臓腑はらわたのドン底のかすの出るところまで饒舌しゃべり尽してしまっても、わかったのか、わからないのかマルッキリ見当が付かない。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
(しかしそれらの中に沈んでゐるのは、孤独のおりではない。ひどく華やいだ、むしろ孤独悦のこころの、——隠微いんび擬態まどはしだつたやうだ)
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
甘い私語と、秘密の享楽とに、何となし心から昵みきれない、いやをりのやうなものの舌触りを感じながらも、好奇心の充されたことだけでも、全く無意味ではなかつたやうな気がした。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
門番呆れて、「汝等きさまら何が買えるもんか。干葉ひばや豆府のからを売りやしまいし、面桶めんつう提げて残飯屋へくがい、馬鹿め。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
問の漠然たるが如くに答もまた漠然たるを失わぬけれども、かも漠然たる大掴みの語の中に皭然しゃくぜんとしてくろなすべからざる真理が存する。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)