“溢出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はみだ50.0%
はみで14.3%
いっしゅつ14.3%
あふれい7.1%
あふれいだ7.1%
あふれで7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むき身しぼり襦袢じゅばん大肌脱おおはだぬぎになっていて、綿八丈の襟の左右へはだけた毛だらけの胸の下から、ひものついた大蝦蟇口おおがまぐち溢出はみださせて、揉んでいる。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
古新聞で火をつけて、金網をかけました。処で、火気は当るまいが、溢出はみでようが、皆引掴ひッつかんで頬張る気だから、二十ばかり初茸はつたけを一所に載せた。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
詩文をくして、文集五十巻、詩集五巻をあらわせるも、詹同せんどうと文章を論じては、文はたゞ誠意溢出いっしゅつするをたっとぶと為し、又洪武六年九月には、みことのりして公文に対偶文辞たいぐうぶんじを用いるを禁じ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つい眼の前には板戸のごとき大肉俎おおまないたすえられしに、こうし大の犬の死体四足しそくを縮めてよこたわれるを、いまだ全く裂尽さけつくさで、切開きたる脇腹より五臓六腑溢出あふれいで、血は一面に四辺あたりを染めたり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかれども余の誠心まごころつらぬかざるより、余の満腔のねがいとして溢出あふれいだせし祈祷の聴かれざるより(人間の眼より評すれば)余は懐疑の悪鬼に襲われ、信仰の立つべき土台を失い、これを地に求めて得ず
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
叫びながら走寄はしりよったが、然し彼女は慄然と其処そこ立竦たちすくんで了った。血! 血! 老子爵の後頭部から溢出あふれでる血が、床にべっとりとひろがっているではないか。
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)