“湿気”のいろいろな読み方と例文
旧字:濕氣
読み方割合
しっけ45.8%
しめりけ16.7%
しけ14.6%
しっき10.4%
しつき6.3%
しめり4.2%
しつけ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もし僕がいなかったら病気も湿気しっけもいくらふえるか知れないんだ。ところで今日はお前たちは僕にあうためにばかりここへ来たのかい。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
冬の雪のこほらざるは湿気しめりけなくかわきたるすなのごとくなるゆゑなり。これ暖国だんこくの雪に異処ことなるところなり。しかれどもこほりてかたくなるは雪とけんとするのはじめなり。
其手袋を鼻の先へ押当てゝ、ぷんとした湿気しけくさい臭気にほひを嗅いで見ると、急に過去すぎさつた天長節のことが丑松の胸の中に浮んで来る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ルウベンスまたタアナアの描ける暴風の図は人をして恐怖の情を催さしむといへども暴風のもたらし来る湿気しっきの感を起さしむる事まれなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
壁と押入から湿気しつきの臭が湧出し手箱の底に秘蔵した昔の恋人の手紙をば虫がふ。
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
停車場ていしやばから宿屋まで、僅か一町足らずの間に、夜風のひえおとがひを埋めた首巻が、呼気いき湿気しめりで真白に凍つた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さつきから空の大半たいはん真青まつさをに晴れて来て、絶えず風の吹きかよふにもかゝはらず、ぢり/\人のはだ焼附やきつくやうな湿気しつけのある秋の日は、目の前なる大川おほかはの水一面にまぶしく照り輝くので
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)