“渾名”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あだな98.2%
あざな1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これはお爺いさんが為めにする所あって布団をまくるのだと思って附けた渾名あだなである。そしてそれが全くの寃罪えんざいでもなかったらしい。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
平の好風よしかぜに子が三人ある、丁度その次男に生まれたから、平中へいちゆう渾名あだなを呼ばれたと云ふ、わたしの Don Juan の似顔である。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とにかく吉川はやっとに落ちたらしい言葉遣ことばづかいをして、なおその当人の猿という渾名あざなを、一座をにぎわせる滑稽こっけい余音よいんのごとくかえした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その大睾丸を蜂に食はれて、家に帰るまで泣き続けて居たといふ事と、今一つ、よく大睾丸を材料たねにして、いろ/\渾名あざなを付けたり、悪口を言つたりるものだから、しまひにはそれを言ひ始めると
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)