“淡紫”の読み方と例文
読み方割合
うすむらさき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁字形の白ペンキの二尺ばかりの立標に W. C. と小さき横文字にて書きたる、そのつつましさに淡紫うすむらさきの花をすりつけて過ぎしは誰ぞ。
春の暗示 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
黄の涼絹すずし単衣ひとえ淡紫うすむらさきをつけて扇を使っている人などは少し気品があり、女らしく思われたが、そうした人にとって氷は取り扱いにくそうに見えた。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
中の間なる団欒まどゐ柱側はしらわきに座を占めて、おもげにいただける夜会結やかいむすび淡紫うすむらさきのリボンかざりして、小豆鼠あづきねずみ縮緬ちりめんの羽織を着たるが、人の打騒ぐを興あるやうに涼き目をみはりて、みづからしとやかに引繕ひきつくろへる娘あり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)