“涼傘”の読み方と例文
読み方割合
ひがさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
横に公園へあがる坂は、見透みとおしに成つて居たから、涼傘ひがさのまゝスツと鳥居から抜けると、紫玉の姿は色のまゝ鳥居の柱に映つて通る。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
二人とも浴衣形ゆかたなりの、一人は髪を引ッつめにして、大きな新聞紙包みを抱え、一人は銀杏返しの、小さな袱紗づつみを抱えた片っ方の手に、音無しく涼傘ひがさをもちそえていた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
つれなる騎者馬さし寄せて、夜は明けんとす、客人の目疾めやみせられぬ用心に、涼傘ひがささゝせ申さんと、大なる布を頭より被せ、頸のまはりに結びたれば、それより方角だにわきまへられず。