“泥色”の読み方と例文
読み方割合
どろいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
保護色ほごしょくなのか泥色どろいろをして、足にあらい毛のある蟹をつかまえて、うで一ぱいさし出したのは森岡正だった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
泥色どろいろをした浅草紙を型にたたきつけ布海苔ふのりで堅めた表面へ胡粉ごふんを塗り絵の具をつけた至って粗末な仮面である。それを買って来て焼け火箸ひばしで両方の目玉のまん中に穴を明ける。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかし目前の海の色は——なるほど目前の海の色も沖だけは青あおとけむっている。が、なぎさに近い海は少しも青い色を帯びていない。正にぬかるみのたまり水と選ぶ所のない泥色どろいろをしている。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)