“沛然”の読み方と例文
読み方割合
はいぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呆然たる松吉の方を、それ見たかといわんばかりの眼つきで睨んで、北鳴四郎は沛然はいぜんたる雨の中を、稲田老人と共に駈けだしていった。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
沛然はいぜんとして金銀の色に落ちて来た、と同時に例の嫁入よめいり行列の影は何町なんちょうったか、姿は一団の霧に隠れてらにすかすも見えない。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
突然強風が吹起こって家を揺るがし雨戸を震わすかと思うと、それが急にまるで嘘をいったように止んでただ沛然はいぜんたる雨声が耳にみる。
雨の上高地 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)