“水溜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずたま45.0%
みずたまり23.8%
みづたまり8.8%
みづたま7.5%
みずため6.3%
みづだまり2.5%
みづだま1.3%
たまり1.3%
みずた1.3%
みずだま1.3%
みずだめ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
数時間のあいだ、上からはなぐるように降りつけられ、下は湿地と水溜みずたまりをこいで歩くのであった。全身あますところなく濡れていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
女学生の立っている右手の方に浅い水溜みずたまりがあって、それに空が白く映っている。それが草原の中に牛乳をこぼしたように見える。
女の決闘 (新字新仮名) / 太宰治(著)
風鈴屋ふうりんやでもとほことか。——振返ふりかへつた洋館やうくわんをぐわさ/\とゆするがごとく、貨物車くわもつしやが、しか二臺にだいわたしをかばはうとした同伴つれはう水溜みづたまりみこんだ。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何ももよかつたのです、その時は。清らかで健康で、どんなに外から水がみ込んで來ても汚ならしい水溜みづたまりにはならなかつたのです。
家へ帰ると彼は中へは入らずに直ぐ裏へ廻って、流し元の水を受けるおけを埋めた水溜みずための縁の湿っぽい土の中へ金剛石を浅くいけた。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
鎖につないだ山犬の鼻さきへ鶏をつきつけて悲鳴をあげさせるのもある。お皿のある怪しげな河童が水溜みづだまりのなかでぼちやぼちややるのもある。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
若い社員は投身みなげをするにも、同じ事なら東京の水溜みづだまりでしたいやうな口ぶりで言つた。
裏手は一面の蘆原あしはら、処々に水溜たまり、これには昼の月も映りそうに秋の空は澄切って、赤蜻蛉あかとんぼが一ツき二ツ行き、遠方おちかたに小さく、つりをする人のうしろに、ちらちらと帆が見えて海から吹通しの風さつ
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
稲が刈り取られて林の影がさかさに田面に映るころとなると、大根畑の盛りで、大根がそろそろ抜かれて、あちらこちらの水溜みずためまたは小さな流れのほとりで洗われるようになると
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
麦畑むぎばたけ牧場ぼくじょうとはおおきなもりかこまれ、そのなかふか水溜みずだまりになっています。まったく、こういう田舎いなか散歩さんぽするのは愉快ゆかいことでした。
大きなやぶのように込み合って曲がりくねった数本の果樹、四角な野菜畑、月の光に輝いてる瓜畑うりばたけ鐘形覆しょうけいおおい、古い水溜みずだめなどが、それと見えていた。