“気恥”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣恥
読み方割合
きは58.8%
きはず23.5%
きはずか5.9%
きはづ5.9%
きはづか5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう思うと、われわれの平生へいぜいは、ただ方便ほうべんしゅとすることばかりおおくて、かえってこの花前に気恥きはずかしいような感じもする。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
拳闘けんとう某氏ぼうしのように責任を感じて丸坊主まるぼうずになったひともいましたが、やはり気恥きはずかしさやひがみもあり張りめた気も一遍いっぺんに折れた、がっかりさで
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
……心着こころづくと、おめしものも気恥きはずかしい、浴衣ゆかただが、うしろのぬいめが、しかも、したたかほころびていたのである。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
取次の下女に、「美禰子さんは御宅ですか」と云つた時、三四郎は自分ながら気恥きはづかしい様な妙な心持がした。ひとの玄関で、妙齢の女の在否ざいひを尋ねた事はまだない。甚だ尋ねにくい気がする。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
暫くしてから氷に手を添へた心程こゝろほど身を起して気恥きはづかしさうに鏡子があたりを見廻した時、まだ新しい出迎人でむかへにんもとつれの二人も影は見えなかつた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)