“殆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほとん59.2%
ほと30.3%
ほとんど8.3%
あやう0.7%
ほとほ0.4%
あぶな0.1%
あや0.1%
あやふ0.1%
うたが0.1%
ちょう0.1%
0.1%
0.1%
ホトンド0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かばねをさむる人もなし」などいへる「も」はほとんど意味なき「も」にて「人なし」「人来ず」といへると大差なければ理窟をば含まず
あきまろに答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
しかし『赤い鳥』ではそれがほとんど全部変名になっていて、随分意外な方が、意外な題目で書いておられるのもちょっと面白かった。
「茶碗の湯」のことなど (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
寺にゐた間は平八郎がほとんどごんも物を言はなかつた。さて寺を出離れると、平八郎が突然云つた。「さあ、これから大阪に帰るのだ。」
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この「ほとほと死にき」をば、あやうしの意にして、胸のわくわくしたと解する説もあり、私も或時あるときにはそれに従った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
我は可笑しき振舞せんによろしからんとおもへば、状師だいげんにんの服を借りて歸りぬ。これをて云ふべきこと爲すべきことの心にかゝりて、其夜はほとほと眠らざりき。
「あれ、おあぶなうございますよ。さうして大相召上つてゐらつしやるやうですから、ともかくもお俥でおいであそばしまし」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
舜瞽瞍を見てそのかたちいためるあり、孔子曰く、この時に於てや、天下あやうかりしかな、岌岌乎たりきと。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
〔譯〕果斷くわだんは、より來るもの有り。より來るもの有り。ゆうより來るもの有り。義と智とをあはせて來るもの有り、じやうなり。たゞゆうのみなるはあやふし。
正しく認識する道は、「多く聞きて疑わしきをき……多く見てうたがわしきを闕く」ことである。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
あわせぢやけれどの、れた上衣うわぎよりはましでござろわいの、ぬしも分つてある、あでやかな娘のぢやで、お前様にちょういわ、其主そのぬしもまたの、お前様のやうな、わか綺麗きれいな人と寝たら本望ほんもうぢやろ、はゝはゝはゝ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
仰向あおむい蒼空あおぞらには、余残なごりの色も何時しか消えせて、今は一面の青海原、星さえ所斑ところまだらきらめでてんと交睫まばたきをするような真似まねをしている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「果断より来たる者あり、より来たる者あり、勇より来たる者あり。義と智をあわせてしかして来たる者あるは上なり。いたずらに勇のみなる者し」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その氷の山にムカうて居るやうな、骨のウヅく戦慄の快感、其が失せて行くのをオソれるやうに、姫は夜毎、鶏のうたひ出すまでは、ホトンド、祈る心で待ち続けて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)