“歩行”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ある61.5%
あるき11.1%
あるく4.1%
あゆみ3.0%
あるい2.6%
かち2.6%
あゆ2.2%
ほかう1.9%
あゆむ1.5%
ほこう1.5%
ひろ1.1%
ひろひ1.1%
ありき0.7%
あんよ0.7%
てく0.7%
ひろい0.7%
あゆま0.4%
あるか0.4%
あがき0.4%
あゆめ0.4%
あよ0.4%
あり0.4%
あるきゆき0.4%
あるけ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このごろのならいとてこの二人が歩行あるく内にもあたりへ心を配る様子はなかなか泰平の世に生まれた人に想像されないほどであッて
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
歩行あるきうち先夜せんや伊勢屋の前へまゐかゝりし時腹痛ふくつうにて難儀仕なんぎつかまつり夜更なれども詮方せんかたなく伊勢屋の戸をたゝき湯をもらはんとぞんじ候處一かうに戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
背負せおひ歩行あるく辨慶がのそ/\と出きたりモシ/\文さん今日は雨降あめふりで御互に骨休ほねやすみ久しぶりなれば一くちのむべし夫に今さんまの生々なま/\としたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いつ頃からこの不思議なよそおいをして、この不思議な歩行あゆみをつづけつつあるかも、余には解らぬ。その主意に至ってはもとより解らぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いつまで行っても松ばかりえていていっこう要領を得ない。こっちがいくら歩行あるいたって松の方で発展してくれなければ駄目な事だ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おのおの抜き身のやりを手にした六人の騎馬武者と二十人ばかりの歩行かち武者とを先頭にして、各部隊が東の方角から順に街道を踏んで来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大跨おおまたに下りて、帽を脱し、はたと夫人の爪尖つまさきひざまずいて、片手を額に加えたが、無言のまま身を起して、同一おなじ窓に歩行あゆみ寄った。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かさをもさゝず歩行ほかう致したるやと大聲たいせい尋問たづねられしかば流石さすがの長庵内心に驚怖おどろくと雖も然有さあらていにて這は思ひも寄らぬ御尋問を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その歩行あゆむや、この巡査には一定の法則ありて存するがごとく、おそからず、早からず、着々歩を進めてみちを行くに、身体からだはきっとして立ちて左右に寸毫すんごうも傾かず
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それ以上いじよう歩行ほこうすることは困難こんなんであつて、たとひ階下かいかかうなどといふ間違まちがつたかんがへをおこしても、それは實行不可能じつこうふかのうであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
外出好そとでずきの綾子夫人が一室ひとまにのみ垂込めて、「ぱっとしては気味が悪い、雨戸を開け。」といわるるばかり庭のおもさえ歩行ひろわせたまわず。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだ其上に腕車くるまやら自転車やらお馬やらお馬車やら折々はわざと手軽に甲斐々々しい洋服出立のお歩行ひろひで何から何まで一生懸命に憂身うきみやつされた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
洛中づくしを見たらば見ぬ所を歩行ありきたがるべし、源氏伊勢物語は心のいたづらになりぬべき物なりと、多田の銀山かなやま出盛りし有樣書せける
金銭の話 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
「もう少しの辛抱ですよ。辛抱していさえすれば、今に歩行あんよもできるし、坊やの好きな西洋料理も食べられるし、みんなで浅草へでもどこへでも行きましょうね。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
且つその顔色かおつきが、紋附の羽織で、ふきの厚い内君マダムと、水兵服の坊やを連れて、別に一人抱いて、鮨にしようか、汁粉にしようか、と歩行てくっている紳士のような、平和な、楽しげなものではなく
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おれは今まではたけにいたが、餅草もちぐさどころじゃあらすか。きょうのお通りは正五しょういつどきだげな。殿様は下町の笹屋ささやの前まで馬にっておいでで、それから御本陣までお歩行ひろいだげな。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ぬすみ出し其上そのうへ臺所だいどころへ火を付何處いづくともなく迯失にげうせけり折節をりふしかぜはげしく忽ち燃上もえあがりしかば驚破すは火事くわじよと近邊大に騷ぎければ喜八はまご/\して居たりしが狼狽うろたへ漸々やう/\屋根よりはおりたれ共あしちゞみ歩行あゆまれず殊に金子と庖丁はうちやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
知ざるいと淺慮あさはかな思し召和君あなた戸外おもてへもお出なさらずうちのみ居て書物ばかり讀で御座るが上もなき親不孝にて御座りませうと言はれて此方こなた面色めんしよくかへコレ忠兵衞和郎そなたは氣でもちがひしか學問もせず遊び歩行あるかば親不孝共もいふけれど吾儕わしは性來好でもありすゝめられても遊には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
歩行あがきは灯を持った少女の如く新しく美しき珍しさを以て彼に来た。風は彼の側をよぎる時笑って行った。彼は草の花の匂いに首を低く下げた。
人馬のにひ妻 (新字新仮名) / ロード・ダンセイニ(著)
早めて歩行あゆめども夏の夜のふけやすく早五時過いつゝすぎとも成し頃名に聞えたる坂東太郎の川波かはなみ音高く岸邊きしべそよあしかや人丈ひとたけよりも高々と生茂おひしげいとながつゝみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むかうへむく/\と霧が出て、そつとして居る時は天気ぢやがの、此方こちらの方から雲が出て、そろ/\両方から歩行あよびよつて、一所ひとつになる時が此の雨ぢや。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あわれわれこのかんに処していかにせむと、手をこまぬきて歩行ありくなりき。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
止めて歩行あるきゆきけれども更に似た人もなく早日も西山せいざんかたむきしかばいざ旅宿りよしゆくかへらんとて三圍の下より渡し船にのり川中迄かはなかまで漕出こぎだしたる時向うより數人乘合のりあひし渡し船來り行違ゆきちがひさま其の船の中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彌勒町みろくまちなる吉野屋へ拘引つれて行て渡さうかそれよりすぐに濱松へ賣てくれるが早道はやみちだイヤ/\歩行あるけと引立るに女は涙聲なみだごゑふるはせ私は其樣な者ではない二世までかけし夫の有身金がほしくば此へんに知る人あれば其家まで行たる上は幾干いくらでものぞみの通り上ます程に何卒ゆるして/\と詫るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)