“此年”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことし73.7%
このとし26.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「へえー」と細君があいのない返事をする。「此年ことしの春突然手紙を寄こして山高帽子とフロックコートを至急送れと云うんです。 ...
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殊に此年ことしに入ってからはお母さんのき方が頻繁ひんぱんになった。絶えず機会を覗っているらしい。次のような問答は僕の度々洩れ聞くところだ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
此年このとし三のとりまでりてなかにちはつぶれしかど前後ぜんご上天氣じやうてんき大鳥神社おほとりじんじやにぎわひすさまじく、此處こゝかこつけに檢査塲けんさばもんよりみだ若人達わかうどたちいきほひとては
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくしは此年このとしから五六年、図らずも羇旅の人となつたが、明治四十一年の秋、重ねて来り見るに及んで、転た前度の劉郎たる思ひをなさねばならなかつた。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)