“棲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
89.6%
とま3.0%
すま2.1%
すみか1.2%
0.9%
0.9%
0.6%
つま0.6%
すみ0.3%
ずま0.3%
とや0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いえば、われわれがんでいる地球は今、われら人類だけによって支配されているが、それが近頃他から脅威をうけんとしているのだ
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
屋敷の左手に大きな山毛欅ぶなの木が幾株かある。四時頃になると、もの淋しい鴉の群はそこへ来てとまり、かしましく啼きたてる。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
遥々はるばる我を頼みて来し、その心さえ浅からぬに、蝦夷えぞ、松前はともかくも、箱根以東にその様なる怪物ばけものすませ置きては、我が職務の恥辱なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
森の梢にすみかを造っている小鳥は、夢を驚かされて、雌鳥は雛鳥をいたわって巣の上にしがみ付いた。雄鳥は、慌しく巣の周囲を飛び廻って叫び立てた。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのついでに友人の来書一切いっさいおさめた柳行李やなぎごおりを取出しその中から彩牋堂主人の書柬しょかんえらみ分けて見た。雨の夜のひとりみこんな事でもするよりほかに用はない。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大和の内も、都に遠い広瀬・葛城カツラギあたりには、人居などは、ほんの忘れ残りのやうに、山陰などにあるだけで、あとは曠野アラノ。それに——、本村ホンムラを遠く離れた、時はづれの、人まぬ田居タヰばかりである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
うたってしまうと、とり靴屋くつやみせんでき、家根やねうえまって、うたいました。
で、からつたつのそでから、萌黄もえぎむらさきとがいろけて、ツにはら/\とみだれながら、しつとりともつつて、つまくれなゐみだれし姿すがた。……
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すうちゃん、このカフェはのろわれているんだよ、君も早くほかへすみかえを
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
が、一日に二度や三度は必ず通らなければ、宗右衛門のこの寺ずまひの自由は絶対に取り上げられてしまふのであつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
折から撃ッて来た拍子木は二時おおびけである。本見世ほんみせ補見世すけみせかごの鳥がおのおのとやに帰るので、一時に上草履の音がとどろき始めた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
いざ吾君アギヒルつみに 蒜つみに 我が行く道に、香ぐはし花橘。下枝シヅエらは人みな取り、秀枝ホツエは鳥枯し みつぐりの 中つ枝の 含隠フゴモり アカれる処女ヲトメ。いざ。さかはえな(応神天皇——日本紀)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)