“梔子”の読み方と例文
読み方割合
くちなし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
庭の隅に取り忘れられた石榴ざくろの実や藪の中なる烏瓜からすうり、または植込のかげの梔子くちなしの実に、冬の夕陽の反映を賞するのも十二月である。
写況雑記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
次兄にその名称を訊くと、梔子くちなしだといつた。さういへば子供の頃から見なれた花だが、ひつそりとした姿が今はたまらなく懐しかつた。……
壊滅の序曲 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
やしきの植込を徜徉ふらついてゐる時、青白い梔子くちなしの花蔭に、女郎蜘蛛が居睡りをしてゐるのを見つけでもすると、真つ青になつて、抜脚ぬきあしして逃げ出したものだ。