“核”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たね53.3%
さね22.2%
かく11.1%
しん8.9%
2.2%
タネ2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向ふの膝のすべてが——それをつくつてゐる筋肉と関節とが、九年母くねんぼの実とたねとを舌の先にさぐるやうに、一つ一つ私には感じられた。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それを言明しても、果物が堅実なさねを蔵しているように、神話の包んでいる人生の重要な物は、保護して行かれると思っている。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
昨年の冬は二かくから成る結晶の存在が確められて、従来多年の懸案となっていた三花や四花の結晶の成因がすらすらと解決出来てしまったのであるが、これもよく考えてみると
梨のしんを絞りしつゆも、木槿の花を煮こみし粥も、が口ならばうまかるべし。姉上にはいかならむ。その姉上と、大方はわれここに来て、この垣をへだててまみえぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしたまたまわが陋屋ろうおくの庭に枇杷のの生育して巨木となったのを目前に見る時、歳月の経過を顧み、いかにはなはだしく時勢の変転したかを思わずには居られない。
枇杷の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
グミの実を食うとき、タネ(すなわちサネ)の如く残される部が右花托の硬変部でそれは種子の皮部であるかと疑われる。そして果実も種子も共に右花托硬変部の内部に閉在している。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)