“東風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こち73.2%
とうふう9.8%
したけ2.4%
たつみ2.4%
とんふう2.4%
ひがし2.4%
ひがしかぜ2.4%
エウルス2.4%
コチ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吹きこめた北の風西の風がかすかな東風こちにかはらうとする。その頃になるときまつて私は故のない憂欝に心を浸されてしまふ。
一四三頼朝よりとも東風とうふうきそひおこり、一四四義仲よしなか北雪ほくせつをはらうて出づるに及び、平氏の一門ことごとく西の海にただよひ、つひに讃岐の海志戸一四五八嶋にいたりて
晴れた穏かな日の昼頃から久し振りに春めいた暖い南風が訪れ、空は次第に薄白く曇り始めて、夕方になると風はうすら寒い東風したけに変る。
山と村 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「十一月二十日は甲子きのえねにあたる。この日にかけて祭すれば、三日三夜のうちに東風たつみが吹き起りましょう。南屏山なんびょうざんの上に七星壇せいだんを築かせて下さい。孔明の一心をもって、かならず天より風を借らん」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも、親分、首っ縊りのブラ下がったのはちょうど橋の真ん中ですぜ。東風ひがしが吹けば死骸のすそ武蔵むさしへ入るし、西風にしが吹けばびんのほつれ毛が、下総しもうさへなびく」
この東風ひがしかぜいてために、輕氣球けいきゝゆうは、たちま進行しんかう方向ほうかうへんじて、今度こんどは、りく方面ほうめんからなゝめに、海洋かいやうほうへときやられた。
言海に「山瀬やませ〔山の背ヨリ吹ケバイフ〕東風コチの異名。(津軽)」とある。これが何日か吹くとそのあと必ず大暴風雨が来る。
津軽地方特有の俚諺 (新字旧仮名) / 福士幸次郎(著)