“東南風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いなさ36.4%
たつみかぜ18.2%
くだり9.1%
たつみ9.1%
ならい9.1%
シロッコ9.1%
シロツコ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風が東南風いなさとみえて、寒色かんしょくの海の青さもさまでには覚えない。ざこ場の小屋にも人影がなく、海草や貝がらや、かにの甲羅などがに乾いていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きのうから季節はずれな東南風たつみかぜが吹き出したので、かねて孔明が云いのこして行ったことばを思い出し、にわかに、趙雲ちょううん子龍をやって
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「少し東南風くだり模様やさかい、今日明日は少し来るやらう」と平七は海の中を見つめながら話した。とその途端に
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
陽は高くなって、夜来の大雨もはれ、皮肉にも東南風たつみすらだんだんにいでいた。ふと、駒をとめて、曹操は、眼の前にかかった二つのわかれ道を、後ろへたずねた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうも今朝五時頃に裾野に靡いていた雲で見ると私は東南風ならいらしいと見たがという人が居ると、イヤ、あれは確かに西風にし
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
日が暮れると東南風シロッコが吹いて、天幕が重い音を立ててゐました。そこへ、不意に白人の紳士がとばりを挙げて私たちをのぞきました。紳士はびやうをつけた旅行靴を鳴らして、天井とすれ/\に入つて来ました。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
ただ病める東南風シロツコのみぞ重たげに、また、たゆたげに
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)