“朝顔”のいろいろな読み方と例文
旧字:朝顏
読み方割合
あさがお63.6%
あさがほ36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
詰所に近いかわやの前の庭へ落雷した。この時厠に立って小便をしていた伊沢柏軒は、前へ倒れて、門歯二枚を朝顔あさがおに打ち附けて折った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
朝顔あさがおの前に立ってとつじょ国もとの事を思い出す。きょうの自分のやり方は、わが身分には少し過ぎたと考えて、非常にいやな気持ちになった。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
うしてその時分じぶんぢやからといふて、滅多めツた人通ひとどほりのない山道やまみち朝顔あさがほいてるうちけぶり道理だうりもなし。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
朝顔あさがほの花が日毎ひごとに小さくなり、西日にしびが燃えるほのほのやうにせま家中いへぢゆう差込さしこんで来る時分じぶんになると鳴きしきるせみの声が一際ひときは耳立みゝだつてせはしくきこえる。八月もいつかなかば過ぎてしまつたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)