“月光”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げつくわう22.5%
げっこう17.5%
つきかげ12.5%
つきあかり12.5%
がっこう10.0%
つきあか10.0%
ひかり5.0%
ムーンライト2.5%
げつこう2.5%
つき2.5%
ムーンシャイン2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日の光りと、月光げつくわうと、まきの火と、魚油ぎよゆしかなかつた暗いころの、ともあぶらになるなたねの花は、どんなに大切なものであつたらう。
月光げっこうらされている、そのとお山影やまかげのぞみますと、もしゆきわたってまっすぐにいくことができたならそんなにとおくもないだろう。
白すみれとしいの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
信吾は五六歩歩いて、思切悪気おもひきりわるげに立留つた。そして矢張やつぱり振返つた。目は、淡く月光つきかげを浴びた智恵子の横顔を見てゐる。コツ/\とステツキさきで下駄の鼻を叩いた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此処はただ草のみ生ひて、樹はまれなれば月光つきあかりに、路の便たよりもいとやすかり。かかる処に路傍みちのほとりくさむらより、つと走り出でて、鷲郎が前を横切るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
脇立わきだちの梵天ぼんてん帝釈たいしゃくの小さい塑像(日光にっこう月光がっこうともいわれる)が傑作であることには、恐らく誰も反対しまい。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
月光つきあかりで、それも見て居たことだらう、丁度、毎日々々、すきさへあれば打越金彌に附きまとはれ、口説くどき立てられて居る折でもあり、昨夜といふ昨夜、なびくと見せて、口から口へ
髪を乱し襟を拡げ、返り血を浴びた主税がその間に立ち、血にぬれた刀を中段に構え、開いている雨戸から射し込んでいる月光ひかりに、姿を仄かに見せていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ベートーヴェンのうちでは『月光ムーンライトソナタ』を挙げるのが順当だろう。このしっかりした表現のうちには、ケンプの情緒が溢れるほど盛られている。
月光げつこうてらもときこえてるそのなみひゞきも、おもへばけたかんじのすることだ。かうしたばんに、このうみ舟旅ふなたびをして、ふねなかめてゐるひともあらう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
五十鈴いすず河は末流すえの方でもはいってはいけない、ことに女人はだが——夏の夜、そっと流れに身をひたすと、山の陰が抱いてるように暗いのに、月光つき何処どこからかってきてあびる水がキラリとする。
しかしロックにとつては、装飾のために一つおきに銀色の月を入れてある、その赤や青の月が、おかしなことにあらゆる月光ムーンシャイン(密造酒の意味を含めたシヤレ)の精髄に見えたのである。