“時鐘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じしょう37.5%
とけい25.0%
ときかね12.5%
ときがね12.5%
ときのかね12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余程よほど精巧に出来ていると見え、大地震に会っても、別に狂いも出来ず、現に今でも、人間の背丈せたけ程もある太い鋼鉄針が動いているし、時間時間には教会堂のかねの様な時鐘じしょうが鳴り響くのだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
時鐘とけい エミイル・ヴェルハアレン
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
伯爵鍋小路行平は正にういふ浅ましい連中の一人だ子。御堂関白の孫大納言公時きんときから二十一世のえいさきの権中納言時鐘ときかねの子が即ち今の伯爵鍋小路黒澄くろすみ卿である。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
葉子の心の周囲にそれまで響いていた音楽は、その瞬間ぱったり静まってしまって、耳の底がかーんとするほど空恐ろしい寂莫せきばくの中に、船のへさきのほうで氷をたたきるような寒い時鐘ときがねの音が聞こえた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それにつれて、祈祷の告知だった美しい鐘声かねのこえも古めかしい時鐘ときのかねとなってしまい、かぼそい喜捨おぼしめしを乞い歩く老ラザレフの姿を、時折り街頭に見掛けるのであった。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)