“昔者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかしもの62.5%
せきしゃ12.5%
むかし12.5%
むかしは12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしのような昔者むかしものは少ないかと思ったら、いや、どう致しまして……。昔よりも何層倍という人出で、その賑やかいには驚きました。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
昔者せきしゃ、旧水戸藩において学校の教育と一藩の政事とを混一していわゆる政治教育の風をなし、士民中はなはだ穏かならざりしことあり。政教混一の弊害、明らかに証すべし。
政事と教育と分離すべし (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
〔評〕十年のなん、賊の精鋭せいえい熊本城下にあつまる。而て援軍えんぐん未だ達せず。谷中將死を以て之を守り、少しも動かず。賊勢ぞくせい遂に屈し、其兵を東する能はず。昔者むかし加藤嘉明よしあき言へるあり。
昔者むかしはカーライル、弊衣を着、破帽をいたゞいて、一日馬車を竜動ロンドン街頭にる。一市民見て声をあげて笑ふて曰く、かの乞丐かたゐの如くして傲然がうぜん車上にあるは誰ぞ、と。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)