“旅宿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やど36.8%
やどや16.2%
りよしゆく14.7%
はたご13.2%
りょしゅく8.8%
はたごや5.9%
やどり2.9%
イン1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
越前ゑちぜん武生たけふの、わびしい旅宿やどの、ゆきうもれたのきはなれて、二ちやうばかりもすゝんだとき吹雪ふゞき行惱ゆきなやみながら、わたしは——おもひました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、旅宿やどやの一で出来るだけ小さくなつて、溜息ばかりいてゐると、次の日曜日の朝、夫人は金糸雀かなりやのやうな声ではしやぎ出した。
扨も忠八は馬喰町なる旅宿りよしゆくかへりてお花夫婦に打對うちむかひ今日向島の渡舟わたしにて斯々かく/\の事ありしと告げれば夫婦は悦ぶ事大方ならず只行方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「園子お嬢様は旅ははじめて、さぞお疲れでござりましょう。少しばかり早くはござりますが、旅宿はたごを取ることにいたしましょう」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして、旅宿りょしゅくに二人附添つきそつた、玉野たまの玉江たまえと云ふ女弟子も連れないで、一人でそっと、……日盛ひざかりうした身には苦にならず、町中まちなかを見つゝそぞろに来た。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大津は無名の文学者で、秋山は無名の画家で不思議にも同種類の青年がこの田舎いなか旅宿はたごやで落ち合ったのであった。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
わが行くをうる處までゆくべし、されど見よ日は既に傾きぬ、夜登る能はざれば、我等うるはしき旅宿やどりを求めむ —四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この迂愚おろかなる旅人が旅宿インを逭れて五日といふ旦暮あけくれは、これなる(かれは首から下げたズダ袋をはたくしぐさをしてみせる)山蟻、あれなる黄蜂の巣、さては天牛虫かみきり、油虫、これに酢模すかんぽ、山独活をそへ
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)