“旅客”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りよかく30.4%
たびびと30.4%
りよきやく13.0%
りょかく13.0%
りょきゃく4.3%
きゃく4.3%
たびゞと4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
巴里パリイ倫敦ロンドンを経て来た旅客りよかくに取つて狭いの郡市の見物は地図一枚を便りにするだけで案内者を頼む必要も無くさながふくろの中を探る様に自在である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
二人は底知れぬ谷にせたり。千秋万古せんしゅうばんこ、ついにこの二人がゆくえを知るものなく、まして一人の旅客たびびとが情けの光をや。
詩想 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
となり旅客りよきやくは、何處どこから乘合のりあはせたのかかれはそれさへらぬ。うへ雙方さうはうとも、ものおもひにふけつて、一言葉ことばかはさなかつたのである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はげしい暴風雨あらしがあつて、鉄道が不通に成り、新道しんどうとても薬研やげんに刻んで崩れたため、旅客りょかくは皆こゝを辿たどつたのであるが、其も当時だけで、又中絶なかだえして、今は
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
相手がそのように恐しい男では、却って騒ぎ立てて、平和な旅客りょきゃくたちの間に、間違いでも起きたなら、それこそ大変である。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
(こんどの船都合は、この飾磨しかまに上がる旅客きゃくもなし、少しの積荷は、沖待ちの船頭から受取ったので、船はすぐここからむろへ廻し、先を急ぐので)
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その仇浪あだなみ立騷たちさわほとり海鳥かいてう二三ゆめいて、うたゝ旅客たびゞとはらわたつばかり、日出雄少年ひでをせうねん無邪氣むじやきである