“断崖”のいろいろな読み方と例文
旧字:斷崖
読み方割合
だんがい70.3%
きりぎし15.8%
がけ11.9%
きりだし1.0%
キリギシ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
看護員は現在おのが身の如何いかに危険なる断崖だんがいはしに臨みつつあるかを、心着かざるものの如く、無心——いなむしろ無邪気——のていにて
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
併し、幸子は、振返りもせずに、どんどん裏木戸から断崖きりぎしの松林の方へ走り去った。旻は踏石の上の庭下駄を突っかけて、その跡を追った。
勝敗 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
「火事——」と道の中へと出た、人の飛ぶ足よりはやく、黒煙くろけむりは幅を拡げ、屏風びょうぶを立てて、千仭せんじん断崖がけを切立てたようにそばだった。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もう先祖以来の大欅おおけやきに囲まれた家の外へ走り出して、千曲川の上流に沿う断崖きりだしの道を——その故郷ふるさとの少年頃から馴れた道を——奔流の流るる方へと、ただまっしぐらに、顧みもせず
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
断崖キリギシノイザナヒ 渦巻クモノヲオレハ知ル
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)