“斑紋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はんもん78.4%
まだら5.4%
けら2.7%
しみ2.7%
とらふ2.7%
ばらふ2.7%
ふもん2.7%
ぶち2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あざのようにあった、うすいさび斑紋はんもんも消えているし、血あぶらにかくれていたにえも、朧夜おぼろよの空のように、ぼうっと美しく現れていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
森の中は薄暗く、ところどころに日漏れがして、草に斑紋まだらを作ってはいたが、夕暮のように薄暗かった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これは古渡こわたりの無疵むきず斑紋けらのない上玉じょうだまで、これを差上げ様と存じます……お根付、へい左様で、鏡葢かゞみぶたで、へい矢張り青磁せいじか何か時代のがございます、琥珀こはくの様なもの、へえかしこまりました
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
起こした体をまた横にし、雨もりの跡やらかびの跡やら、斑紋しみだらけの古襖の裾に、これだけは艶かしく置いてある、緋の胴がけの三味線へ、冷たい視線を投げてやって、九十郎はいい放した。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
素人しろうとながらに、近海物と、そうでない魚とを見分けることの出来るお三輪は、今おかへ揚ったばかりのような黒く濃い斑紋とらふのある鮎並あいなめ、口の大きくうろここまかすずきなぞをながめるさえめずらしく思った。
食堂 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
れば少し寒うございますなれども五月上旬はじめと云うので、南部のあい子持縞こもちじまあわせで着て、頭は達磨返だるまがえしと云う結び髪に、*ひらとの金簪きんかんを差し、斑紋ばらふの切れた鬢櫛びんぐしを横の方へ差し
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
斑紋ふもん美しき鷹の羽のそやをつがへば、よろこびにわが弦は鳴らん、猟人よ。
と、自ら手拭出して拭きたりしも、化学染めの米沢平、乾ける後には、さだめて斑紋ぶちを留めたらん。気の毒に。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)