“斑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まだら38.3%
25.0%
ぶち16.1%
まだ10.7%
まばら2.0%
まば1.3%
むら1.3%
はん1.0%
ほし0.8%
はだ0.8%
ふち0.5%
はだら0.5%
ぱん0.5%
あめ0.3%
しみ0.3%
まんだ0.3%
まんだら0.3%
ハタ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして遥か彼方には、明るい家々が深緑ふかみどりの山肌を、その頂からふもとのあたりまで、はだれ雪のように、まだら点綴てんていしているのが望まれた。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
上の水分みくまり神社の桜も、下の山添い道の山桜も、散りぬいていた。花ビラのあやしい舞が彼の童心を夢幻と昂奮こうふんの渦にひきこむのか。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白勝ちの赤毛のぶちで、顔の至って平めなのが特徴であったが、今以てぶちの在り処まで略々同じ猫が、次から次へと代を重ねて居る。
どら猫観察記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すると向うの窓硝子はまだらに外気に曇った上に小さい風景を現していた。それは黄ばんだ松林の向うに海のある風景に違いなかった。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
頼みたく今日は和女そなたの歸りをば實は二個ふたりで待てゐたりと言ばお金はまばらなるあらはして打笑ひ然いふ目出度お話と聞ては吾儕わたしも實にうれしく斯いふ事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
志道軒しどうけんの孫弟子なにがしの辻講釈つじこうしゃく、冬の陣における真田父子さなだふしの働きぶりをたたきにたたいておりますが、戸板にかこまれた木戸銭の影もまばらで、このならびでは一番の不入り
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以上三曲、いずれをいずれと言いがたい出来だ。ピアティゴルスキーには、むらと癖のないことは、この三曲を並べて聴いてつくづく感ずるだろう。
見ると、入口から奥へ、はん々たる血の痕、平次と八五郎はそれを除け除け、お栄の手から受取った手燭をかざして次の間に踏込みます。
されど告げよ、この物體にありて、かの下界の人々にカインの物語をさしむる多くの黒きほしは何ぞや。 四九—五一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あたりのはだら雪を蹴散らしながら、たちまち見えなくなったが、ライオンのようなみごとな襟毛をたらした牡であった。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
遅く出た月が空にあったが、樹木が繁っているために、木洩れの月光がそこここへ、光のふちを置いているばかりで、あたりはほとんど闇であった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
丘はまだはだら雪で蔽われているのに、それを押しのけるようにして土筆つくしが頭をだす。去年こぞの楢の枯葉を手もて払えば、その下には、もう野蒜のびるの緑の芽。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのことについて私の考えていることの一ぱんを、新入学生諸君の参考のために述べてみたいのである。
黒ンぼとあめンぼ
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
忠臣蔵に茶番の落を附けるのだから、お軽にも何か変つた長襦袢を著せたかつた。そこで所々しよ/\を問ひ合せて、とう/\緋縮緬の長襦袢の背中に大きな黄色いしみの出来たのを手に入れた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
上の所まんだらにげておる焦茶色の短かい羽織に、八丈まがいの脂染あぶらじみた小袖を着し、一本独鈷いっぽんどっこの小倉の帯に、お釈迦の手のような木刀をきめ込み、ねぎ枯葉かれっぱのようなぱっちに
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
瑞々みずみずと結い上げてやったお六の頭が見るも浅ましくところまんだらに天保銭ほどの禿になっている。白癬しらくも頭のおできのあとのようにも見えるし台湾坊主の出来そこないみたいにも見える。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
冬山の 雑木にまじるハタら雪。朝の日ざしの、まねくおよびぬ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)