“斂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おさ57.1%
をさ19.0%
あつ4.8%
しま4.8%
4.8%
れん4.8%
をさま4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これは鬼神の食物をおさめる処である、酒を花の下に置き、犬をそこここの樹下に繋いでから、時刻のくるまでここに隠れているがよい」
美女を盗む鬼神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
贋金つくりが羽ををさめて、其まゝヂツとして居たら、平次も恐らく手の下しやうが無かつたことでせう。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
あつむべからずまずしきもの旅客たびびとのためにこれをのこしおくべし
聖家族 (新字新仮名) / 小山清(著)
肌がぴいんとしまって来た気がする。自然な温かい気持ちになり、モウレツに激しい恋をしてみたくなる。いろんな記憶の底に、男の思い出がちらちらとする。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
風もまつて林の中はしんとして居た。烏が一羽、連れから離れたやうに、「があ、があ。」と啼きながら奥山の方へ飛んで行つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「三日。雨。冷気甚。暮時御入棺。」正寧のれんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
驢に乘りて草寮こやに至れば、博士は踞座して我等を待てり。促し立てゝ共に出づるに、風をさまり月明かなり。拿破里ナポリ灣に沿ひて行けば、熔岩の赤き影と明月の青き影と、波面に二條の長蛇を跳らしむ。