“数”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
かず44.6%
すう23.0%
かぞ19.1%
3.2%
しばしば1.4%
1.4%
しば/\0.7%
かづ0.7%
0.7%
0.7%
しば/″\0.4%
あまた0.4%
かぞう0.4%
かぞえ0.4%
かぞへ0.4%
しばし0.4%
0.4%
はか0.4%
みゃく0.4%
カゾ0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おじいさんはそれを聞くと安心して娘に向って、おまえのほしいと思う羊のかずを、一と息で言ってごらんと言いました。娘はすぐに
湖水の女 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
しぼるような冷汗ひやあせになる気味の悪さ、足がすくんだというて立っていられるすうではないからびくびくしながら路を急ぐとまたしても居たよ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かぞどしの二つにしかならないおとこであるが、あのきかない光子みつこさんにくらべたら、これはまたなんというおとなしいものだろう。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
行くこと百歩、あのくすの大樹の鬱蓊うつおうたる下蔭したかげの、やや薄暗きあたりを行く藤色のきぬの端を遠くよりちらとぞ見たる。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
最もしばしば往ったのはほど近い藤堂家である。この邸では家族の人々の誕生日、その外種々の祝日いわいびに、必ず勝久を呼ぶことになっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それに何の不思議があらう、歌は第二句目で一字延びてゐる上に、博士は「菅家」といふ名前までもみ込んでゐたのだから。
そしてつねに茶山去後に其地に到つた。蘭軒は茶山に、その現に江戸にあつて、大田と同居し、しば/\己を訪ふことを報じた。敬助は文章を善くした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
俗界ぞくかいける小説せうせつ勢力せいりよくくのごとだいなればしたがつ小説家せうせつかすなはいま所謂いはゆる文学者ぶんがくしやのチヤホヤせらるゝは人気じんき役者やくしやものかづならず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
かえって人形の様な不生産的な花嫁や、栄耀栄華を目的とする様な虚栄心の強い女子をめようと思うのである。
夫婦共稼ぎと女子の学問 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
さうして日をり初めて、ちようど今日と言ふ日。彼岸中日、春分の空が朝から晴れて、雲雀は天に翔り過ぎて帰らないほど、青雲が深々とたなびいて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それゆゑ三百篇の註を始として、杜詩の註等に至つても、註家のことに附会の痕あるに逢ふ毎に、わたくしはしば/″\巻を抛つて読むことを廃めた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わめき叫びながら、むらがり寄せる敵をさんざんに駈けなやましたが、わずかな手兵はしだいに討ち取られ、吉信もついにあまた𤺨きずを負った。かたな折れ、矢つきたのである。
死処 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
とかくする中、かぞうれば今より十余年ほど前の事に相なり候。彼岸ひがんも過ぎて、野も山も花盛りに相なり候ころ白昼はくちゅうにわかに風雨吹起り、近村へ落雷十余箇処にも及び候事有之。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
れるといってもけがすには至らず、諸事万事御意の随意々々まにまに曾て抵抗した事なく、しかのみならず……此処が肝賢かなめ……他の課長の遺行をかぞえて暗に盛徳を称揚する事も折節はあるので
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
絶えずわが紅玉こうぎよくかぞへたま
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
草緑にして露繁き青山の練兵場、林を出でゝ野に入り、野を去つて更に田に出づるかうがい町より下渋谷の田舎道は余と透谷とが其頃しばしば散歩したる処にして当時の幻影おもかげは猶余の脳中に往来す。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
と見れば貧民の童男、童女どうにょ、多人老婦人の身辺にありて、物珍しげに天窓より爪先つまさきまでじろりじろり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
古るい人に先だたれ、新らしい人に後れれば、今日きょう明日あすと、その日にはかる命は、あやあやうい。……
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
活栓の働きの度数を心臓の搏動みゃくの三倍、四倍にすれば足ると思い、試みて見ましたところが、果して静脈血の炭酸瓦斯の量を非常に減少することが出来
人工心臓 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「奇功ハ功ニカゾヘズ、先駆ケハ厳罰ニ附ス」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南家の郎女イラツメの幸福な噂が、春風に乗つて来たのは、次の春である。姫は別様の心躍りを、一月も前から感じて居た。さうして、日をり初めて、ちようど、今日と言ふ日。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其は、暦の語原たる「日み」の術を弁へた人によつて、月日の運り・気節の替り目が考へられ、生産のすべての方針が立てられた昔から説き起す。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)