“散”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
58.6%
ちら19.2%
さん9.1%
ちり2.6%
ちっ1.6%
あら0.7%
ちる0.7%
さんじ0.7%
ちらか0.7%
ちらば0.7%
ちれ0.7%
0.7%
ちらし0.3%
はふ0.3%
こぼ0.3%
ざん0.3%
ちつ0.3%
0.3%
ぢら0.3%
0.3%
はららか0.3%
ばら0.3%
0.3%
みだ0.3%
サン0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家の中はまっくらで、しんとして返事へんじをするものもなく、そこらにはあつ敷物しきもの着物きものなどが、くしゃくしゃらばっているようでした。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なるほど、そう思えば、舞台の前に、木の葉がばらばらとちらばった中へまじって、投銭なげせんが飛んでいたらしく見えたそうでございます。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
グズグズしている間には穴蔵のものが、紅蓮ぐれんの舌さきに焼き殺されてしまう。鏡の口が開いたので、火の早さは一さんになるであろう。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十月廿一日、広い森林を抜けて川上かはかみの方へ行つたときには、広い葉の並木はしきりに落葉し、さういふちりしいた落葉を踏んで私どもが歩いて行つた。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
折しも弥生やよいの桜時、庭前にわさき桜花おうかは一円に咲揃い、そよ/\春風の吹くたびに、一二輪ずつチラリ/\とちっる処は得も云われざる風情。
かれその軍、悉に破れて逃げあらけぬ。ここにその逃ぐる軍を追ひめて、久須婆くすばわたり一一に到りし時に、みな迫めらえたしなみて、くそ出でて、はかまに懸かりき。かれ其地そこに名づけて屎褌くそはかまといふ。
雪吹ふゞきの人をころす事大方右にるゐす。暖地だんちの人花のちるくらべ美賞びしやうする雪吹ふゞきと其ことなること、潮干しほひあそびてたのしむ洪濤つなみおぼれくるしむとのごとし。雪国の難義なんぎ暖地だんちの人おもひはかるべし。
昨夜さくやちらしおきたる苧幹をがら寸断ずた/\をれてあり、これひとさんじてのち諸神しよじんこゝにあつまりてをどり玉ふゆゑ、をがらをふみをり玉ふなりといひつたふ。
店をはずれて、ひょろひょろとした柳で仕切った、そのかどを見ると、小児こどもが遊んでいたらしく、めんこが四五枚、ばらに靴脱ぎのたたきの上へちらかって、喇叭らっぱが一ツ、式台に横飛び。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さはつたところだけはしましてもいたみませぬ、竹箒たけばうき引払ひツぱたいては八ぱうちらばつて体中からだぢうたかられてはそれしのげませぬ即死そくしでございますがと、微笑ほゝゑんでひかへる無理むりにぎつてもらひ、つか/\とくと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おもふに、ひとちれ演場しばゐ蕭然さみしくなるいとふゆゑなるべし。いづくにかいづる所あらんとたづねしに、此寺の四方かきをめぐらして出べきのひまなし。
うそを仰しゃい。ついでだから、みんなけて御しまいなさい」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
例えば——、蜂須賀巡査は勝手口の小門の近くに屈み込んで、庭下駄の跡に踏みつけられた一枚の桃色のちらし広告を見ながら考えた。
石塀幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ここにき出して斬りはふりき。かれ其地そこを宇陀の血原といふ。然してその弟宇迦斯おとうかしが獻れる大饗おほみあへをば、悉にその御軍みいくさに賜ひき。この時、御歌よみしたまひしく
襖がすらりとあいたようだから、振返えると、あらず、仁右衛門の居室いましまったままで、ただほのかに見えるこぼれ松葉のその模様が、なつかしい百人一首の表紙に見えた。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さア——来た以上、仕方がない。不本意ながら、おたくを血だらけに致すよりほか、まず、みちはござるまい。斬合きりあいには、ざんバラがみが一番邪魔じゃまでござる。手拭いを一本——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さくらる時分には、夕暮ゆふぐれかぜかれて、よつつのはし此方こちらからむかふわたり、むかふから又此方こちらわたり返して、長いどてふ様にあるいた。が其さくらはとくにちつて仕舞つて、いまは緑蔭の時節になつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それがわしの弟を抱いて散りりになったと云う事をほのかに聞きました、其の門番の勘藏を伯父と云うが、それを知って居るよりほかに証拠はない、尤も外に証拠物もあったが、永らく牢屋の住居すまいにして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
若「アヽ此の比翼ぢらしもいたずら事になったか、怨めしい、それほど不実の人とは知らず、つとめうち一夜でもほかの客へはかわさぬ枕」
寄席よせねて少時しばらくは街いつぱいになつて歩く汚れた服の労働者のむれに混つて帰つた。(一月十五日)
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
堅庭は向股むかももに蹈みなづみ、沫雪なすはららかして、稜威の男建をたけび、蹈みたけびて、待ち問ひたまひしく、「何とかも上り來ませる」と問ひたまひき。
店をはずれて、ひょろひょろとした柳で仕切った、そのかどを見ると、小児こどもが遊んでいたらしく、めんこが四五枚、ばらに靴脱ぎのたたきの上へちらかって、喇叭らっぱが一ツ、式台に横飛び。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秋の蜻蛉とんぼが盛んに町の空を飛んだ。塩瀬の店では一日の玉高ぎょくだかの計算を終った。後場ごばうにけた。幹部を始め、その他の店員はいずれも帰りを急ぎつつあった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お国はその時、少し風邪かぜの心地で、蟀谷こめかみのところに即効紙そっこうしなどって、取りみだした風をしていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
サンズレバ春風シユンプウリテ洛城ラクジヤウツ……
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)